エンジョイワイン

 


 エルミータのラベルに描かれている木。
 これはワイナリーの正面にある樹齢100年を数えるオリーヴの木です。この巨大なオリーヴの古木は、ワイナリーのイメージ作りにインスピレーションを与えてくれました。
 この木はフミーリャの農業の伝統、ボデガの革新的な考え方、そして品質志向のワインを造るために導入した技術を結ぶシンボルでもあるのです。


土壌:砂質、岩、石灰質
 乾燥しきったこの地の痩せた土壌と極限の気候環境という厳しいテロワールが、逆に、「モナストレル種」の栽培には最高の環境となります。

■フミーリャでは北向きが最高!
 普通、畑として良いとされるのは、南向きや東南向きの斜面。しかし、フミーリャは違います。
良い畑は全て北向きの斜面。あまりにも厳しい日照、暑さと水不足ゆえに、山の南側の斜面ではほとんど植物が生えないからなのです。唯一南向きの畑でも栽培可能なのは、地ブドウ、モナストレル種のみ。


 最高品質のワインはブドウを最初から丁寧に育てることから生まれます。カサ・デ・ラ・エルミータは自社の技術者の指導の下に栽培を行う自社畑を所有しており、フミーリャでも最高品質のブドウを収穫することできます。

■外来品種の研究と栽培
 フミーリャを代表する品種はモナストレルですが、カサ・デ・ラ・エルミータではムルシア州政府と協力して、外来品種のブドウを試験的に栽培しています。
 結果、フミーリャの過酷な環境にみごと適合したのが「プティ・ヴェルドー」。その他、メルロー、シラー、カベルネ・ソーヴィニョンの栽培に成功を収めているほか、世界各地の30種に及ぶ品種の研究も行っています。中でも近年期待されているのは、マルベックとネッビオーロ。

  • 州政府との協力を示す看板


  • ---なんと、ゲヴュルツやトゥリガ・ナシオナルまで栽培されています。

 

■水センサーの導入
 水の少ない土地だからこそ、灌漑設備は必須。
 地ブドウであるモナストレル以外の品種は、逆に灌漑を行わないと良質のブドウは得られません。設立以来10年の研究で、地中水分の最適値は「飽和水量の40~60%」ということが分かりました。常にこのベストな環境を保つよう、オーストラリアから導入したというセンサーを地中40~60cmの深さに埋め、常に水分をコントロールしています。また株と株の間隔を狭くすることで、均等に水分が行きわたるようにもしている。

◆栽培責任者◆(写真中)
今回畑を案内してくださった、栽培責任者の フアン・マヌエル・ゴメス氏

◆灌漑のホース◆(写真下)
ホースにごく小さな穴が開いていて、一滴一滴ゆっくりと雫を落として水を与えます。なので、水をやり過ぎることもないそう。

■有機栽培の導入
2009年は実験的にではありますが、全ての畑で有機栽培を実践!(認証は一部の畑のみ)。

■ボデガのアイデンティティー:
  フミーリャといえば、「地ブドウ・モナストレル」

自然との闘い!極限の自然環境! ~ぎりぎりのストレスに耐えてこそ、最高のブドウが生まれる~

● 水 :年間降水量300ミリ! 時には100ミリ程のときも!毎年干ばつになるほどの厳しい環境!
● 気温:夏はまさに灼熱地獄!平均40℃、時には50℃を超えることも!
● 土壌:乾燥しきった、有機養分に乏しい痩せた石灰質土壌
→厳しい環境に耐えてこそ、ブドウは本来の力を増し、凝縮した果実を生み出す。

<モナストレル種>
 レバンテ地方(バレンシアなど)で栽培されている地ブドウ。
 実が小さくて皮が多いという記録が15世紀の書物に残っているほど古くから栽培されており、フランスに渡りムールヴェードルとなる。モナストレルは他の品種と混ぜ合わせて使うワイナリーが多いが、エルミータは単一で使用しても凝縮感のある素晴らしいワインができると確信している。カベルネやシラーの補助的品種と思われがちであるが、決してそうではない。

 

 カサ・デ・ラ・エルミータ社が所有するほとんどのモナストレルが樹齢60年を超える古木(写真 左下)。 過酷な自然環境にあって、この品種のみ灌漑は不要で接ぎ木もしない。

 

※ですが、こんな厳しい環境に唯一順応してきたモナストレルでも、 温暖化の影響なのか昨今の厳しい暑さで枯れてしまうことがあるそうです。

 

■ボデガのシンボル:エルミータが育てたブドウ、「プティ・ヴェルドー」
 ボデガの研究精神のシンボルともいえるのがプティ・ヴェルドー。1999年、設立とともに始まった外来品種の研究で、エルミータがフミーリャの地に初めて持ち込んだ品種でもある。
 一般的に完熟させるのが非常に難しい品種であり、それゆえにプティ・ヴェルドー100%のワインは世界でもほとんど造られていません。しかし、10年に渡る研究と努力によって、夏に砂漠化するこの土地では、他に類を見ないほど完熟し高い品質のワインを生み出すということが判明。そして10年を経た今、畑も十分に成長し、そのクオリティはますます高くなっている。まさにエルミータが育てた品種。

<プティ・ヴェルドー種>
 ボルドーの伝統的な黒葡萄品種の一つ。もはや広範囲には栽培されていないが、品質を重視する一部の葡萄畑では僅かながら復活している。(中略)。カベルネ・ソーヴィニヨンのように果皮が厚く、完熟した時は凝縮したタンニンの強い、格別にスパイシーで濃い色調を帯びたワインとなる。ボルドーの場合、概ねそのようなワインになるのは葡萄が良く熟したヴィンテージ(プティ・ヴェルドーのずば抜けた力強さは殆ど必要とされないが)に限られている。 不都合にも晩熟のため、多くのワイン生産者は1960~70年代にこの品種の植え付けを断念してしまった。しかし品質が認められるにつれボルドーのみならず、カリフォルニアでも量は僅かながら復活しつつある。(ジャンシス・ロビンソン ワイン用葡萄ガイドより抜粋)